前回の記事(完全ガイド①)では、Blenderの画面の見方や、オブジェクトを動かす基本操作について解説しました。
基本的な動かし方が分かったら、いよいよ今回から実際の「モデリング(形を作る作業)」に入っていきます。
今回の目標は、動画を見ながら「3点・4点の面に新しく面を貼る」という作業のコツを掴むことです。最初から難しいトポロジー(面の流れ)を意識する必要はありません。まずは手を動かして、立体が出来上がっていく楽しさを体験してみましょう。
前提:モデリングの基本変形について
実際のキャラクター制作に入る前に、メッシュの形状を編集する基本操作を抑えておく必要があります。特に重要となるのが以下の3つの操作です。
- 面を貼る(F)
- 面を差し込む(I)
- 押し出す(E)
これらを使った具体的な形状の変形方法については、すでに別記事で詳しく解説しています。まだ自信がない方や、操作方法を確認したい方は、まずこちらの記事からご覧ください。
➡️ 【Blender初心者ナビ】面貼り・差し込み・押し出しの基本変形操作はこちら(【Blender入門】「押し出し」と「面の差し込み」をマスター!コップ作りに挑戦)
上記の基本変形ができるようになったら、いよいよ本格的なキャラクターモデリングの効率化に進みましょう。
復習もかねて、「立方体」「円」「球」使った実演しますので見てください。
ここからは、実際に形状(メッシュ)を動かしながら、面張りの具体的な手順を実演動画とともに確認していきましょう。
初心者の方が段階を踏んで理解しやすいよう、「立方体」「円」「球(UV球)」と形状を変えながら、それぞれの操作手順を解説します。
💡 操作を間違えたときは:[Ctrl] + [Z] でいつでも戻せる
実演動画の中でも頻繁に行われていますが、もし間違った頂点を選んでしまったり、意図しない操作をしてしまったりした場合は、キーボードの [Ctrl] + [Z] キー を押すことで、1つ前の操作状態に戻すことができます。
このショートカットは、トントンと連続で押すことで、2手前, 3手前へとさらに過去の状態まで連続して戻すことが可能です。間違えてもすぐにやり直せる基本的な機能ですので、失敗を気にせずどんどん手を動かしてみてください。
1. 立方体での操作実演:面を削除して新しく貼り直す
まずは、最もシンプルな四角形メッシュである「立方体」を使い、編集モードでの面の削除から、手動での正確な面張りの基本手順を確認します。ここでは、選択する要素の違いによる結果の違いも一緒に学びます。
■ 操作手順
- オブジェクトモードで立方体を選択し、[Tab] キー を押して「編集モード」に切り替えます。
- 選択モードを「面選択(3キー)」に切り替え、立方体の任意の面を左クリックで選択します。
- [X] キー を押し、削除メニューから必ず 「面だけ(Only Faces)」 を選択して削除します。
⚠️重要:ここで「面」を選んでしまうと、面を構成している周囲の辺や頂点まで一緒に消えてしまい、形が崩れてしまいます。中の空洞だけを抜くために、必ず「面だけ」を指定してください。
- キーボードの [1] キー を押し、「頂点選択モード」に切り替えます。
- 穴の境界にある、対面する頂点を [Shift] + 左クリック で選択して面を張っていきます。
💡 選択する頂点・辺の数による違い
- 「2点」だけを選択して [F] キーを押した場合: 面は張られず、頂点と頂点を結ぶ「辺(線)」だけが新しく作られます。
- 「4点」を同時に選択して [F] キーを押した場合: 4つの頂点に囲まれた新しい「面」が正確に張られ、穴が塞がります。
- 「辺選択モード(2キー)」に切り替えて操作する場合: 頂点をバラバラに選ばなくても、穴を挟んで向き合う「2つの辺」を複数選択して [F] キー を押すだけで、同様にその間に新しい面を張ることができます。
下の動画が、Blenderでの実演の動画です。
2. 円での操作実演:選択した範囲にFキーで連続して面を貼る
次は、最初から中央が空洞になっている「円」オブジェクトを使い、選択した頂点の範囲に沿って面が構築されていく実演を確認します。
■ 操作手順
- 追加メニュー(Shift + A)から「メッシュ」>「円」を作成し、[Tab] キー で編集モードに入ります。
- キーボードの [1] キー を押し、「頂点選択モード」にします。
- 円のフチにある、隣り合う複数の頂点を [Shift] + 左クリック で選択します。
- [F] キー を押すと、まず選択した頂点の間に最初の面が張られます。
- 最初の面を張ったあと、フチの端にある頂点を1つ選択した状態にします。
- その状態で [F] キーを連続で(ポンポンと)押していく と、Blenderが周囲のメッシュの形状を判断し、選択された範囲(円の輪郭)に沿って、隣へ隣へと自動的に連続して新しい面が次々に張られていきます。
下の動画が、Blenderでの実演の動画です。
3. 球(UV球)での操作実演:選択範囲による面の張られ方と注意点
最後に、無数の四角形面が縦横に組み合わさって構成されている、より複雑な立体構造の「球(UV球)」を扱います。選択する範囲によって面がどこに張られるのか、実演動画の動きを見ながら確認しましょう。
■ 操作手順
- 「UV球」を作成し、編集モードに入ります。
- 側面の一部の面(縦横に並んだ複数の面)を範囲選択し、[X] キー > 「面」 で削除して、球の曲面に沿った穴を開けます。
- 頂点選択モード(1キー)に切り替えます。
- この複雑な穴のフチを選択して通常の [F] キー を押すだけでは、メッシュの流れを無視した歪んだ面が張られてしまい、球の綺麗な曲面形状が崩れてしまいます。正確に復元するには、周囲の流れに合わせて1列ずつ綺麗に面を補完する必要があります。
⚠️ 裏側まで選択してしまうトラブルへの対策 複雑な球体で範囲選択(ボックス選択など)を行う際、表面の頂点だけを選んだつもりでも、見えない「オブジェクトの裏側」にある頂点まで一緒に巻き込んで選択してしまうことがあります。
- 裏側まで選択された状態で [F] キーを押すと: 球体の内部を突き抜けるように、意図しないおかしな位置に面が張られてしまいます。
- 対策①(ワイヤーフレーム表示): 操作を行う際は、画面右上にあるアイコン、または [Shift] + [Z] キー を押して 「ワイヤーフレーム表示」 に切り替えてみてください。メッシュが透き通るため、選択された頂点が今どこにあるのか(裏側まで選んでいないか)を目で見て簡単に確認できるようになります。
- 対策②(Altキーによるループ選択): 頂点を一つずつ[Shift]キーで選ぶのが大変な場合は、[Alt] キーを押しながら辺を左クリック してみてください。穴のフチに沿った一列の頂点(ループ)を、裏表関係なくワンクリックで正確に一括選択することができます。
下の動画が、Blenderでの実演の動画です。
⚙️ 補足:効率化アドオン「F2」による解決
球(UV球)のように、曲面に沿った複雑な穴をクリーンな四角形メッシュのまま復元したいときに真価を発揮するのが、Blenderに標準内蔵されている無料アドオン「F2」です。
通常、複雑な穴を四角面で埋めるには、4つの頂点をその都度選び直してFキーを押す作業を何度も繰り返さなければなりませんが、「F2」を有効化すると、この手間が完全に省略されます。
■ F2アドオンの使い方とメリット
- 事前設定:「編集」>「プリファレンス」>「アドオン」から「F2」を検索し、チェックボックスをオンにして有効化しておきます。
- 操作: 複雑な穴の「角(2つのオープンな辺に挟まれた頂点)」を 1つだけ 選択します。
- その状態で [F] キー を押すと、アドオンが周囲のメッシュの流れを自動計算し、1頂点選択しただけで正確な四角形の面を生成してくれます。
- そのまま [F] キーを連続で押していく だけで、球の複雑な曲面に沿った綺麗な四角形メッシュが次々と補完され、元のクリーンな球体の形状へと復元できます。
手作業で頂点を選び直す必要がなく、カーソルを合わせた頂点を起点にメッシュを編み直すことができるため、キャラクターモデリングなどのリトポロジー作業においても非常に重要なテクニックとなります。
下の動画が、Blenderでの実演の動画です。
Blender挫折しない モデリング難易度比較
ここまで紹介した移動や貼り付けは、モデリングの基本中の基本です。
その他に「押し出し」や「差し込み」の操作に「モディファイア」といった機能など・・覚えることは数多くありますが、これらを全て説明してると大抵の人は嫌になるものです。
難易度の種類を知ることも「初心者」にとって大事なことですので・・今から、難易度の比較を並べて説明していきます。
Blenderで自作キャラクターを制作難易度「A」人型ロボット
下の説明動画は私自作のロボットですが、モデリング自体はポリゴン数も少なく容易に作れます。
ポリゴン数、つまり3Dモデルが「何個の多角形(面)で構成されているか」ですので少ないのだから面を作って張る作業が少ないので作りやすいの結論です。
また、人の様に有機質の形状は丸さが主体でバランスが大事で上手く取れない壊れたバランスだと不格好になり、意図したモデルが作れません。
その点、無機質なロボットは直線面が多くポリゴン数も少なくて表現できます。バランス的なめんも個性的だとなれば作る箇所では違う形状でも格好いいスタイルとなります。
Blenderで自作キャラクターを制作難易度「B」幼い可愛い人
下の説明動画は私自作のキャラクターですが、モデリング自体はポリゴン数も少ないので比較的に楽に作れます。
少ないポリゴン数で、いかに可愛い顔立ちとスタイルにするかを意識して作業を進めるとこんな人型になりました。
初心者の方が簡単とは言えませんが、初心者が始める人のモデリングとしては良いスタイルだと思います。
これを基本とした、初心者の方が挫折しないモデリング学習を進めるつもりです。
Blenderで自作キャラクターを制作難易度「C」中級者向け人/成人
下の説明動画は配布のキャラクターですが、モデリング自体はポリゴン数も普通で中級者向けに作られています。
これは、Blender用に配布されてた人型です。初心者の方が見る解説等で普通に使うレベルのモデルですが・・私的には初心者が始めるモデルとは言えません。
いかにも挫折しそうなモデリングの難しい所から始める入り口のスタイルになるモデルだとと思います。
Blenderで自作キャラクターを制作難易度「D」人/魅力的成人
下の説明動画は自作のキャラクターですが、モデリング自体で魅力的な形状が必要なため中級者向けで難しい。
そのまんまの中級者向けです。魅力的な大人の女性となるとかなりのテクニックが必要となります。
Blenderで自作キャラクターを制作難易度「E」上級者向け人/リアル成人
下の説明動画は配布のキャラクターですが、リアル表現でポリゴン数も格段に増えて上級者向けに作られています。
上級者向けのモデリングテクニックが必要です、実写版のようなリアル3Dを作るには多くのポリゴン数が必要です。
Blenderの様々なモデリングの基本比較のまとめ
比較動画で、どこまで皆様に伝わったか疑問ですけど・・なんとなくは違いが伝わったのではと思っています。
ここら辺を解説してくれる記事も見ないので、初心者の方に違いを伝えるのも大事だと解説しました。
それぞれにランクが有り、進べき道も違うし始める視点も方向も異なるので「現在個々にあった取り組み」から進めることが大事になり間違った方向から入れば挫折もすることあるだろうと理解してもらえたら幸いです。
Blender初心者が最初に覚えるべき重要モディファイア
Blenderのモディファイアはたくさんありますが、キャラクターや形を作る上で最初からすべてを覚える必要はありません。まずは以下の4つだけを押さえておけば、ほとんどのモデリングに対応できます。
| モディファイア名 | どんな機能?(一言でいうと) | キャラクター制作での具体的な使い道 | 初心者へのアドバイス |
ミラー(Mirror) | 左右対称にパーツを自動で作る | 顔、体、手足、服など、左右同じ形のものを同時に作る | 片側だけを作ればいいので、作業時間が半分になります。必ず一番最初に覚える機能です。 |
サブディビジョンサーフェス(Subdivision Surface) | カクカクのメッシュを滑らかにする | 人肌の柔らかさ、丸みのある顔、なだらかな服のシワを作る | 少ない頂点数(ローポリ)のまま、見た目だけを綺麗に丸めることができる超重要機能です。 |
ソリッド化(Solidify) | ペラペラな平面に厚みを出す | 服の生地の厚み、帽子、お皿やコップのフチを作る | 平面の状態で形を作ってから、後から一発でリアルな布などの「厚み」をつけられます。 |
ベベル(Bevel) | 角を削ってなだらかな面取りをする | 机の角、サイコロのフチ、硬いパーツの角を自然にする | 現実世界に「完全に尖った角」は存在しません。ほんの少しベベルをかけるだけでリアルになります。 |
💡 読者に伝えるためのワンポイント補足
モディファイアの右側にある「×」ボタンを押せばいつでも元の形に戻せるため、失敗を恐れず安全に形を調整できるのが最大のメリットです。
📌 モディファイアとは?
メッシュそのものを直接変形させるのではなく、「元の形を壊さないまま、特殊な効果を上から被せる(プレビューする)」機能です。
今回「モディファイア」は解説しないで、いよいよ本番の「初心者向けのモデリング解説」に進みたいと思いますのでここに使うべきモディファイアをまとめてみました。
Blenderで挫折しないモデリングとは。
面張り用の格子メッシュを作成する。
下の説明動画は面張り用のメッシュを作成してキャラクターを作る方法となります。
Blenderのアノテーション(Annotate)とは、一言でいうと「3D空間の好きな場所に、画面を汚さずに書ける『透明なメモ帳(落書きペン)』」機能のことです。
3Dモデルそのものに傷をつけたり変形させたりすることなく、ノートにペンでメモを書くような感覚で、画面上に直接「線」や「文字」を書き込むことができます。
1. Blenderでアノテーション使う?(主な用途)
下書きやアイデアのメモとして
キャラクターを作る前に、「だいたいこの辺に目を描いて、髪の毛はこれくらいの長さにしよう」と、3D画面に直接ブラシでアノテーションを描き、それをガイド(下描き)にして3Dモデリングを進めることができます。
下の説明動画はそのアノテーションのペンで下書きをしキャラクターを作る方法となります。
モデリングで難しい髪の作成の仕方
下の説明動画は顔を作るに至って、他の部品は別に作成してる説明と難しい髪の作成方法をどうするか?。
これらの動画解説の方法とプラススカルプト機能で変形して形を整えることで、一つのキャラクターオブジェクトを持てば色々なキャラクターに変形して使えます。
Blenderマルチレゾかサブビジョンで最終的には変形して形を整える。
モディファイアにはメッシュを分割して細かくすることで、スカルプト機能で変形できる様にする機能があります。
代表的な「サブディビジョンサーフェス」「マルチレゾリュ-ション」の2つ有ります。
使い分けの疑問、「ポリゴンを細かくして、スカルプトモードでこねる」という意味では、画面上の見た目は全く同じに見えますけど。
実は、裏側の「データの持ち方」と「アニメーション(動かすとき)の扱いやすさ」が全く違います。
一言でいうと、
- サブディビジョン: 形を「滑らかにする」のが仕事。レベルを変えると、スカルプトした形が崩れてしまう。
- マルチレゾ: 形を「彫刻する」のが仕事。レベルを下げても、スカルプトした細かいシワの情報をしっかり記憶している。
この違いを、アニメーション(骨を入れて動かす作業)を想定して分かりやすく解説します。
決定的な違い:レベルを下行(ローポリに)したときの挙動
キャラクターを動かす(アニメーションさせる)ときは、パソコンを軽くするために、一度ポリゴンを一番粗い「ローポリ(レベル0)」に落としてから骨(ボーン)を入れます。このときの動きが2つで大きく異なります。
1. サブディビジョンサーフェスでスカルプトした場合(崩れる)
サブディビジョンは、単に「頂点と頂点の間を自動で丸く補間する」機能です。 細かいレベルでシワを彫ったあとに、ビューポートのレベルを「0」に下げると、細かく彫ったシワのデータが土台のメッシュを突き破ったり、グチャグチャに潰れて歪んでしまいます。 再びレベルを上げても、元の綺麗なシワに戻らない(形が破綻する)ことが多いです。
2. マルチレゾリューションでスカルプトした場合(記憶する)
マルチレゾは、「各階層(レベル)ごとの変形データ」をBlenderが完璧に記憶しています。 レベルを「5」にして超リアルなシワを彫ったあと、レベルを「0」に下げてツルツルの土台に戻しても、シワの情報は消えずに裏で綺麗に保管されます。 ですので、レベル0の軽い状態でキャラクターに骨を入れてアニメーションをつけ、レンダリングするときだけレベル5に戻してシワを復活させる、という綺麗な使い分けができます。
💡 2つの役割(使い分け)のまとめ
ブログで解説する際も、以下のように役割を分けると読者の方にスッと理解してもらえます。
- サブディビジョンサーフェスを使うとき:
- キャラクターの「お面」や「服のベース」、「コップ」「車」など、表面をツルツル・なめらかに仕上げたいとき。(細かく彫刻しないもの)
- マルチレゾリューションを使うとき:
- 動物の毛並み、妖精の皮膚の質感、服のリアルなシワなど、「あとから細部をガッツリ彫り込みたい(スカルプトしたい)とき」。
「ただ形を丸くしたいだけならサブディビ、上から粘土細工のように彫り込みたいならマルチレゾ」と覚えておくと、迷わなくなりますよ!
と文章で解説するとこうなりますが、初心者の方は「頭の片隅に」置いてく程度にしてください。
実演しないと理解できないのが当たり前ですので・・
今回はここまでとして、次回は「Blenderで挫折しないモデリング」へと実演して学ぶ解説を進めたいと思います。そのときの流れで使う「モディファイア」はそのつど説明して進みますので「サブディビジョンサーフェス」「マルチレゾリュ-ション」の2つも実演しながら説明したいと思います。
初心者向けの実演を進むことが先決だと「モデリング基本解説」はここで終了します。
早いうちに【Blender初心者ナビ】実践動画で学ぶモデリングから、UV展開・ボーンまで迷わない完全ガイド③を完成させて公表する予定ですのでよろしくお願いします。実際に「Blenderで挫折しないモデリング」の仕方を取り入れた実演しながら進める解説記事となります。
前回の解説記事は【Blender初心者ナビ】実践動画で学ぶモデリングから、UV展開・ボーンまで迷わない完全ガイド①です。
またの機会が在りましたら、お会いしましょう。

