ジオメトリノードの最大の強みは、たくさんのオブジェクトを一瞬できれいに並べて、それらを数式やテクスチャの力で連動させて自動で動かせることです。
今回は、Blenderでおなじみの「スザンヌ(モンキー)」をグリッド(網目)の上にずらりと配置し、「波テクスチャ(Wave Texture)」を使って、個々のスザンヌをエレベーターのように上下にうねうねと波打たせる方法を解説します。
ジオメトリノードの最重要項目である「どこに配置するか(ポイントとインスタンス)」と「それをどう動かすか(位置設定)」の本質が、これ一本で完全にマスターできますよ!
1. 準備:モンキーにジオメトリノードを新規作成する
まずは、今回たくさん並べるための主役「スザンヌ(モンキー)」を呼び出して、そのままジオメトリノードを設定します。
- いつもの3D画面(ビューポート)で [Shift + A] > [メッシュ] > 「モンキー」 を追加します。
- モンキーが選択された状態のまま、画面下の「ジオメトリノードエディター」で [新規] ボタンを押します。
新規作成すると、画面に 「グループ入力」 と 「グループ出力」 が1本の線で繋がった状態になります。
💡 ここが初心者向けのポイント! この最初からある「グループ入力」の正体は、いま画面に出した**「スザンヌの形(メッシュデータ)」**そのものです。
2. ステップ1:【どこに配置するか】ポイントにインスタンス作成
ここからが今回の第一歩、スザンヌを「どこに配置するか」の土台(住所)を作ります。
- [Shift + A] > [インスタンス] > 「ポイントにインスタンス作成(Instances on Points)」 を追加し、先ほどの「グループ入力」と「グループ出力」を結ぶ線の上に重ねるようにしてポンと置きます。
- ※線の上に重ねて置くと、自動的に間に挟まって繋がります!
- 続いて、土台となる網目を作ります。[Shift + A] > [メッシュ] > [プリミティブ] > 「グリッド(Grid)」 ノードを追加します。
- ノード内の [頂点X] と [頂点Y] をそれぞれ「10」 に設定しておきます(これで合計100個の配置ポイントが生まれます)。
これらを以下のように合流させて繋ぎます。
🔌 配置データの接続ルート
- 追加した 「グリッド(メッシュ)」 ➔ 「ポイントにインスタンス作成(ポイント)」 へ繋ぐ
- 最初からあった 「グループ入力」 ➔ 「ポイントにインスタンス作成(インスタンス)」 へ繋ぐ
- 「ポイントにインスタンス作成(インスタンス)」 ➔ 「グループ出力」
繋いだ瞬間に、画面のモンキーが1体から100体に増え、縦横きれいに整列して現れます! (※スザンヌが大きすぎて重なっている場合は、ノード内の [スケール] を 「0.1」〜「0.2」 あたりに小さく変更してください)
💡 ここで絶対覚えたい!「インスタンス」の本当の意味
初心者の人が一番つまずきやすいのが、この「ポイント」と「インスタンス」という言葉です。ここでその本質を完璧に理解しておきましょう!
- ポイント: 「ここに物を置いてね」という、空間に浮いたただの目印(住所のリスト)です。今回はグリッドの100個の点のこと。
- インスタンス: 3Dのデータを、パソコンのメモリを節約するために「実体を持たない『幽霊(レプリカ)』としてコピーする」仕組みのことです。
もし、Blenderで普通に「オブジェクトの複製(Shift + D)」を使ってモンキーを100体並べると、パソコンは「100体分の重いメッシュデータ」を大真面目にすべて計算するため、画面がめちゃくちゃ重くなってしまいます。
しかし、この「インスタンス」という機能を使うと、パソコンは「本物のモンキーは最初の1体だけ。あとの99体は、グリッドの点の上に映し出しているだけのただの幻(映像)」として処理してくれます。 だから、100体、1000体と大量に並べても、パソコンは1ミリも重くならずにサクサク動いてくれるのです。これが「インスタンス」の最大の強みです!
3. ステップ2:【どう動かすか】個々のスザンヌの位置を動かす受け皿を作る
きれいに配置できたら、次は並んだスザンヌたちを「どう動かすか」の処理を作ります。今回は「それぞれのスザンヌを上下に動かしたい」ので、位置をコントロールするノードを挟みます。
- [Shift + A] > [ジオメトリ] > [書込] > 「位置設定(Set Position)」 を追加し、「ポイントにインスタンス作成」の直後(右側)の線上に重ねて挟みます。
🔌 メインの一本道の並び順
「ポイントにインスタンス作成」 – 「位置設定」 – 「グループ出力」
さらに、動きの方向を「上下(Z軸)」だけに限定するために、おなじみの交通整理ノードを呼び出して合流させます。
- [Shift + A] > [ユーティリティ] > [ベクトル] > 「XYZ合成(Combine XYZ)」 を追加。
「XYZ合成(ベクトル)」 ➔ 「位置設定(オフセット)」
これで動かすための受け皿が完成しました。この「XYZ合成」の「Z」に数値を送ることで、100体のスザンヌそれぞれの高さを個別にコントロールできるようになります。
4. ステップ3:波テクスチャと時間で「うねうね」連動させる
最後に、この「Z」の数値に対して、波テクスチャの「変化量」を流し込んで自動で動かします。
- [Shift + A] > [テクスチャ] > 「波テクスチャ(Wave Texture)」 を追加。
- [Shift + A] > [入力] > [シーン] > 「シーン時間(Scene Time)」 を追加。
これらを、先ほどの「XYZ合成のZ」の部屋に向かって繋ぎます。
🔌 自動アニメーションの接続ルート
「シーン時間(秒)」 ➔ 「波テクスチャ(位相オフセット)」 「波テクスチャ(カラー)」 ➔ 「XYZ合成(Z)」
これで全てのノードが繋がりました! Blenderのタイムラインの再生ボタン(またはスペースキー)を押してみてください。
100体のスザンヌが、まるで海の上に浮かんでいるかのように、綺麗に連動しながら上下にうねうねと波打つ、最高のサイバーアニメーションが始まります!
まとめ:今回の完璧なロードマップ
今回の教科書の流れを振り返ると、ジオメトリノードで最も大切な「配置と移動」の優先順位がハッキリ分かります。
- グループ入力(スザンヌ) + グリッド: 配置するモノ(実体)と、土台(住所)を用意する。
- ポイントにインスタンス作成: 土台の点に、モノを「インスタンス(幻)」としてどこに配置するかを決定する。
- 位置設定 + XYZ合成(Z): 配置された個々のモノを「上下(Z軸)にどう動かすか」の受け皿を作る。
- 波テクスチャ + シーン時間: 時間によって変化する波のエネルギーを流し込み、全自動でうねうね動かす。
動画のような派手で複雑に見えるモーショングラフィックスも、分解してみれば「まずポイントにインスタンスで配置して、その位置をテクスチャで動かしているだけ」という, ものすごく論理的なステップでできているんですね。
これで、ジオメトリノード最大の難所である「配置(ポイント・インスタンス)」と「移動」の壁は完全に突破です!
下にジオメトリノードの接続展開しています。何かのヒントにしてください!!
とにかく、ノードの端子名や接続端子の種類を変えてみたり色んな箇所のの数値を変えて見て、変化する所は何か?となるほどの連続が本当の理解に近づきますので怖がらずにさわりましょう。
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